ここでは、与えられた旋律が何調であるかを推定する方法について考えます。旋律や和声(和音の連なり)、またそれらの一部分が何調であるかを考えることを、調判定、または調性判断と呼びます。
このサイトでは、これまでも調判定について、それぞれの問題の中でふれてきましたが、ここではまとめて考えていくことにします。
ふつう、調性の判断は、音を出して、それがどの主音に行こうとしているか、また長調か短調かと考えます。
しかし、しばしば、音を出すことができないことがあります。筆記試験はそのひとつです。
ここでは、このような場合のために、音を出さずに楽譜だけ見て判断をする方法について考えます。
もちろん、音を頭で鳴らすことができる人は、音を頭の中で鳴らすことで、音を出したのと同じように、感覚的に捉えることができるはずです。
調判定の手順を考えるとき、最初からあらゆる可能性を考えていくことは、あまり意味がありません。まず簡単な方法でやってみて、それでうまくいかないようならより難しい方法を試すべきです。ですからここでは、簡単な方法から並べています。
また、調判定を厳密に行うためには、どうしても和声学の知識が必要ですが、ここでは楽典の範囲で考えられる調判定の方法について述べることにします。しかし、実際、楽典の知識を総動員しなければ、解いていくことはできないでしょう。
このページでは、正確な記述よりも実践的であることを優先しています。多少の記述の不正確さはお許しください。

このページの約束

このページの記述を簡潔にするため、いくつかこのページの中だけの約束事を作っています。

  1. このページでは、1度(増1度などを含む)、8度等の関係にある音を単に「同じ音」と書いていることがあります。一方、完全1度、完全8度等の関係にある音を示す時には「同じ音名の音」と書いています。たとえば、fisとその減8度上のfは「同じ音」ですが、「同じ音名の音」ではありません。

  2. このページで何もことわりなく「ドレミ」を使ったら、それは固定ド唱法のそれです。臨時記号が付いていてもいなくても「ド」「レ」と使います。たとえば上の譜例の音はすべて「ソ」です。
  3. このページでは、同じ音名の音がいくつあっても、1個として数えることにします。たとえば、gisがさまざまなオクターブにいくつあっても1個です。gisとgなら2個です。
  4. このページで♯、、等々と書くときには、一般に、音符の直前に臨時記号が書かれているかどうかを問いません。♯の音(嬰音)、の音(幹音)の意味です。臨時記号の小節内有効のルールに気をつけましょう。また、の音は一般に必要がなければ臨時記号が付かないので、気をつける必要があります。

予備知識

調判定では、ほとんどすべての楽典の知識を使いますが、その中でも特に重要なのは、次の点です。復習しておきましょう。

  1. ♯の調号は『ファドソレラミシ』(固定ド)の順番に付きます。

  2. ♭の調号は『シミラレソドファ』の順番に付きます。

  3. ♯系の長調の調号の数は、『トニイホロヘハ』(日本音名)と覚えます。♯2つならニ長調、♯5つならロ長調です。なお、6番目以降(ヘとハ)は「嬰」が付いて嬰ヘ長調、嬰ハ長調となります。
  4. ♭系の長調の調号の数は、『ヘロホイニトハ』と覚えます。♭1つならヘ長調です。なお、2番目以降は「変」が付いて変ロ長調、変ホ長調……となります。
  5. 長調の音名から調号を知るには、次のようにします。音名に嬰が付いていれば♯系、変が付いていれば♭系。付いていないとき、ヘなら♭系、ハは調号なし、そのほかは♯系。
  6. 短調の調号は、平行調で考えます。調号から何短調かを知るには、その調号を持つ長調を考え、その短3度下とします。短調の音名から調号を知るには、その音名を短3度上げて、その長調の調号とします。
  7. 主音とはその調の名前となる音です。
  8. 導音とは、主音の短2度下の音です。短調では、自然短音階と旋律的短音階下行形には導音が現れません。短調で導音を得るためにvii度音を半音高めて作られたのが和声的短音階と旋律的短音階上行形ですから、この2つの音階には導音があります。調号を使った表記にあっては、短調の導音は臨時記号で半音高めて書かれます。

問題

調号の付いた旋律

その旋律にふさわしい調号がついている場合には、長調かその平行短調かの判断だけになります。

  1. 調号から、その調号に合致する長調を考えます。(予備知識参照)
  2. ♯系なら調号の最後の♯(ひとつだけならそれ)の3度下の音が臨時記号で上げられていれば、平行短調。

    (♯3つなので長調ならA-dur、最後の♯の3度下が臨時記号で上げられているのでfis-moll)
  3. ♭系なら調号の最後の♭の2度上の音が臨時記号で上げられていれば、平行短調。

    (♭1つなので長調ならF-dur、最後の♭の2度上が臨時記号で上げられているのでd-moll)
  4. 調号なしなら、gisがあれば、a-moll。

  5. そうでなければ、最初に考えた長調のまま。

    (最後の♯の3度下が臨時記号で上げられていないので、D-dur)

問題

単純な長調の判定

調号が書かれていなくて、すべて臨時記号で示されている場合です。もし、同じ音に複数種の臨時記号が付いている(たとえばgisとgの両方が書かれている)場合には、「平行調の判断」を行う必要があります。

  1. 臨時記号が♯だけであれば、♯の調号の順、つまりファドソレラミシの順に♯をすべて拾っていきます。ファドソレラミシの途中で止まって、次がならば、そこまでが調号となる長調です。たとえば、ファドソに♯が付いていて、レがならば、♯3つの長調=A-durです。

  2. 臨時記号が♭だけであれば、♭の調号の順、つまりシミラレソドファの順に♭をすべて拾っていきます。シミラレソドファの途中で止まって、次がならば、そこまでが調号となる長調です。たとえば、シミに♭が付いていて、ラがならば、♭2つの長調=B-durです。

  3. 調号順に拾うとき、抜けているものがあっても、その音が全く旋律の中になければ、あるものと考えてよいでしょう。たとえば、♯をファドソと拾うときに、ド(cis)がなくてものド(つまりc)がなければ、♯は3つと考えることができます。

問題

単純な短調の判定

♯や♭が完全には調号順に並んでいないという場合、♯と♭が混在している場合は、短調と考えられます。

  1. 臨時記号が♯だけだが、♯がファドソレラミシの途中で止まっての音(そこにが書かれていなくても)が出てきているのに、まだ拾っていない♯の音が1つ残る場合。ストップさせられたからまだ拾っていない♯まで、調号順にヌケを考えてみます。が2つまたは1つあって♯が抜けた後、その後に拾っていない♯が来るなら、これが短調の導音です。その音の短2度上の音を主音とする短調となります。たとえば、ファドが♯で、ソレに♯がなく、ラが♯ならばaisが導音となり、その短2度上でh-mollです。

    なお、♯のヌケに当たるが2つの場合が和声的短音階、1つの場合が旋律的短音階上行形です。
  2. 臨時記号が♭だけだが、♭がシミラレソドファの途中で止まってが出てきているのに、まだ拾っていない♭の音が残る場合。ストップさせられたからまだ拾っていない♭まで、調号順にヌケを考えてみます。ヌケとなるが1つあって、その後に1つか2つだけ♭があるなら、が短調の導音です。この導音の短2度上の音を主音とする短調となります。たとえば、シミラが♭で、レに♭がなく、ソドが♭ならば、レ(d)が導音となり、そのその短2度上でes-mollです。

    なお、♭が2つの場合が和声的短音階、1つの場合が旋律的短音階上行形です。
  3. 臨時記号に♯と♭の両方がある場合には♯の音が、短調の導音になります。(たとえば、b、es、fisならば、fisが導音となってg-mollです。)この場合、♭は調号順に1つ(d-moll和声的短音階・g-moll旋律的短音階上行形)か2つ(g-moll和声的短音階)となりますから、確認してください。

  4. 同様に、が1つと♯がいくつかある場合にはが、短調の導音になります。(たとえば、fisisがあればgis-mollです。)♯は、調号順に(に上げられた音を抜かして)導音の3度上(和声的短音階)か2度下(旋律的短音階上行形)までとなりますから、確認してください。

  5. が2個ある場合もあり得ますが、1つの調だけです。この場合はfisis、gisisのうちgisisを導音と考えて、ais-moll(旋律的短音階上行形)とします。2つのの音以外はすべて♯になることを確認してください。

問題

複数種の臨時記号〜旋律的短音階

同じ音に異なる臨時記号(書かれていないを含む)が付いている場合には、まず旋律的短音階の可能性を考えます。旋律的短音階では、上行形と下行形が異なるために、vi度音とvii度音では、同じ音に2種類の臨時記号が付くからです。

  1. 同じ音に2種類の臨時記号が付いている音が何なのかをまずピックアップします。そういう音が2つで、それが2度の関係になっていることを確認します。

  2. これらの音では、同じ音の中で、より高い臨時記号を残して低い臨時記号を無視します。たとえば、と♯なら♯を残してを無視します。

  3. そのようにすると、旋律的短音階上行形と同じになるはずです。上記「単純な短調の判定」の方法で調を判定します。
  4. 2種類の臨時記号が付く音がひとつだけの場合も、同様の解き方でできます。場合によっては、上の段階でいったん和声的短音階となることがありますが、これは気にする必要はありません。

問題

複数種の臨時記号〜音階の音以外が含まれる場合

調判定では、その調の音階に含まれる音だけがある曲が出題されるとは限りません。そのような課題では、その調の音階に含まれる音と、それが臨時記号で変化した音の、両方が旋律に含まれるのが普通です。

  1. は、特殊な場合を除けば、長音階にも和声的短音階にも含まれません。これは最初に省いて考えます。
  2. 同じ音に2種類以上の臨時記号が付いているとき、それらの中で次の音に短2度上行している音は、その調の音でないことが多いので、そのような音を省いてみましょう。

    これには次のような例外もありますが、これは後から考えることにします。
    1. 短2度上行する音は、短調の導音であるかも知れません。これは、この音を省いて考えてしまって、調号が確定してから、ひょっとしたらその音が短調の導音かも知れない、と考えればすみます。「調号の付いた旋律」、「平行調の判断」参照。
    2. 半音階の上行形では、♯系の調ではその調の調号の最後の♯に対するが、♭系の調では最後の♭の次の♭が用いられるため、その音が音階に含まれる音であるかのような誤解を生じてしまいます。つまり♭の方向に1つずれて認識しがちです。長調と判断した旋律の中に半音階上行形のある場合には、いったん判断を下してから、属調に移して(♯1つ増やして・♭1つ減らして)考え直してみるとよいでしょう。たとえば、次のような場合、これまでの方法では♯1つのG-durに見えますが、念のため、無視した内のcisが調号で次に来る♯にあたるため、♯2つのD-durも疑ってみる必要があります。G-durとするかD-durとするかは「長調での属調・下属調の判断」を参照にしてください。(じっさい、この例はD-durです)

  3. 同じ音に2種類以上の臨時記号が付いているとき、その中に短2度下行しているものがあれば、その音もその調の音でないことがあります。しかしそのような場合はあまり多くありません。
  4. その調の音階(自然長音階、和声的・旋律的短音階)の構成音の異名同音が使われることは通常ありえません。ですから、異名同音の関係にある2つの音が書かれていたら、それは両方無視ししてかまいません。のみならずそれらの音が音階の構成音になっている調は排除する必要があります。たとえば

    はc-mollですが、

    はcesが使われているので、異名同音であるhの含まれているc-mollではありえません。Es-durです。
  5. それでも迷ったら、その課題の中で後の方の音を優先して(後にある音がその調の音である可能性が高いと)考えるとうまくいくことがあります。ある音のまとまりが、何調であると確定するためには、そのまとまりの最後で調の確保が行われる必要があるからで、そのためには、その調の構成音を中心にする必要があるからです。

    ただし、課題の中に移調が含まれる場合には、移調の前の調の調確保が課題の最初で行われる可能性があります。この場合には、移調の前の調の判断は課題の最初で行うといいでしょう。

問題

その他の判断材料

  1. 曲の最後が課題に含まれていれば、一般にその音を主音と見ることができます。

  2. 曲の最初が課題に含まれていれば、最初の音はその調の主音、iii度音、v度音のいずれかである可能性が高いでしょう。ただし、弱起の場合や、最初の音が短い場合には、この例外となることがあります。

  3. 課題の終わりが曲の終わりでなくても、課題の中には終止が含まれていると考えてよいでしょうし、それは課題の最後付近に見られることが多いでしょう。終止であれば、偽終止は他の調に見えやすくなるので課題の最後付近には考えづらいですから、偽終止以外と考えることができます。全終止、変終止、半終止のいずれかです。全終止・変終止ならばその調の主音、iii度音、v度音のいずれかで終止するし、半終止ならばii度音、v度音、vii度音です。いいかえると、課題の最後付近でiv度音やvi度音で終止することは考えづらいということになります。

  4. 導音は短2度上に行こうとする力が強く、iv度音は2度下行しようとする力が強い。それは小節線をまたぐとき、またそれに準ずるとき(4拍子の3拍目に入るときのような)などに顕著に表れます。判定の結果、これに合致しないようなら、再考した方がいいかもしれません。

平行調の判断

調号が決まったところで長調か短調かを判断する方法。

  1. 調号が決まったなら、その調号があるもの考えれば、あとは「調号の付いた旋律」と同じです。しかし、上級の問題では、必ずしも短調のvii度音が半音上げられているとは限りません。長調に見えたものが実は旋律的短音階の下行形かも知れません。次の例は、一見Fis-durに見えますが、Fis-durでは例の最後の部分が終止として不自然です。dis-mollの旋律的短音階下行形と考えるのが自然です。

  2. 旋律的短音階下行形の(半音上げられない)vii度音は、必ず(半音上げられない)vi度音と共に使われます。vi度音と共に使われていなければ、それは旋律的短音階の下行形ではありません。

    上の例は、g-mollに見えます。しかしg-mollと見た場合、半音上げられないvii度音が半音上げられないvi度音とは一緒に使われていない(離れている)ので、旋律的短音階の下行形と見るのに無理があります。fisの方を無視してB-durと考えるのが楽典的には自然です。

問題

同主調の判断

主音が決まったところで長調か短調かを判断する(同主調同士のどちらかを判断する)方法。

  1. iii度音が主音の長3度上ならば長調です。短3度上ならば短調です。

  2. vi度音はあてになりません。旋律的短音階上行形、和声的長音階等があるからです。
  3. もし課題の中に主音の増2度上、増5度上の音があれば短調でありません。音階構成音と異名同音となるからです。
  4. 上行する半音階で主音の短2度上、短3度上、短6度上の音があれば、通常長調でありません。

長調での属調・下属調の判断

♯や♭を調号の順に並べたが、調号の数が確定できない場合。最後の調号の次の音がなくてそれがかどうか判断できない、(下の例は、♭3個はあるが、シミラの次のレで、dもdesもないためにEs-durかAs-durか判断できない)

または最後の調号の音と共にその音のもある(dもdesもあるためにEs-durかAs-dur判断できない)場合。これは長調で特に問題となります。短調ならば導音が見られるのでまず迷うことはないからです。

  1. 「その他の判断材料」の最初の3つをまず試みます。(上の例に当てはめると、曲尾でないので最初の基準は使えません。次にもし曲頭であるとするならばes音はEs-durの主音でありAs-durのv度音なので両方の可能性が残ります。最後が終止であると仮定するなら、b音はEs-durのv度音でありAs-durのii度音なのでやはり両方の可能性が残ります。)
  2. 調号順に並べたもののうち、確実なものの内の最後の♯・♭を見て、♯系なら、その音とその短2度上の音、♭系ならその音と短2度下の音の2音に注目します(上の場合には最後の♭であるasとその短2度下のg)。もし確実な調号がひとつもない場合(C-durが疑われる状態)には、e-fかh-cの短2度の内、旋律に存在する方の組み合わせです。
  3. 注目する2音の内、下の音の動きを調べます(例の場合、asとgなのでg)。この下の音が基本的に、特に小節線をまたぐときや4拍子の3拍目に行く時のような重要な場面で、短2度上の音に行こうとしているなら、この音は導音の可能性があります(♯側=属調側の調に判定できる)。それ以外の音に行っているようなら、導音の可能性は低くなります。つまりこの音はiii度音です(♭側=下属調側の調にしか判定できない)。(上の例では、短2度上の音に行っていないので、gが導音の可能性は低い。従ってAs-durでなくてEs-dur)
  4. 参考までに、注目する2音の内、上の音の動きを調べます(例の場合、asとgなのでas)。この上の音が基本的に短2度下の音に行こうとしているなら、これがiv度音といえる可能性が高くなります(♭側=下属調側の調に判定できる)。それ以外の音に行っているようなら、iv度音の可能性は低くなります。つまりこの音は主音です(♯側=属調側の調にしか判定しづらい)。(上の例では、短2度上の音に行っているので、asがiv度音の可能性は低くない。従ってEs-durと考えることは可能)

問題

その他の注意

  1. 通常の旋律では、短調は旋律的短音階か和声的短音階しか使われません。
  2. 旋律的短音階なら、初級の課題では、音が上行するときには上行形、下行するときには下行形を使われるでしょうけれど、上級の課題ではそう限りません。
  3. 旋律的短音階上行形の(半音上げられた)vi度音は、単独では用いられません。必ず(半音上げられた)vii度音=導音と共に使われます。
  4. 旋律的短音階下行形の(半音上げられていない)vii度音は、単独では用いられません。必ず(半音上げられていない)vi度音と共に使われます。

  5. 旋律的短音階上行形の(半音上げられた)vi度音は、♯系では最後の調号の次の♯に一致します。また♭系では最後の♭を打ち消します。

    調号の数を間違えやすいので、注意が必要です。
  6. 長調は自然長音階が主で、ときどき和声的長音階や旋律的長音階が使われます。
  7. 旋律的長音階下行形の(半音下げられた)vii度音は、単独では用いられません。必ず(半音下げられた)vi度音と共に使われます。
  8. 旋律的長音階下行形は、同主調の下属調の旋律的短音階上行形と同じ構成音です。旋律的短音階上行形からみると、属調の同主調の旋律的長音階下行形と、構成音が同じと言うことになります。たとえば、C-durの旋律的長音階下行形は、f-mollの旋律的短音階上行形と同じ構成音です。

実際の調判定

  1. これまで、調号なしの旋律で見てきましたが、実際の楽曲で調判定を行う場合には、(その旋律にふさわしくない)調号が付いているのが普通でしょう。このような場合でも、その調号を臨時記号に直してみれば、これまでの方法で判定することができます。
  2. 実際の楽曲では、楽典的に書かれるべき音の異名同音で書かれていることがあります。たとえば、fisisで書かれるべき音がgで書かれるなどです。
  3. 調号で表すことのできる調は長調、短調それぞれ15ですが、実際の楽曲では、臨時記号を使ってそれ以外の調が現れる場合があります。たとえば、ショパンの幻想ポロネーズにはais-mollの同主調であるAis-dur(3つと♯4つの調)が現れます。(版によってはB-durに書き換えています)